高齢化社会を迎えている日本では人口当たり、実に4人に1人が65才以上の高齢者です。

人口の推移を試算すると、平成47年には総人口の3人に1人が65才以上の高齢者になる超高齢化社会になると言われています。(総務省調べ)

つまり

今後さらに高齢化社会となる日本にとって、絶対に必要となるのが介護人員なのです。

しかし今後高齢者人口がますます増加する予想ですが、働き手(つまり若者)は減少の一途なので、今よりもさらに人材確保が難しくなると言われています。

多くの業種ではこういった人で不足を補うために効率化に取り組み始めていますが、

介護職は工場のようにオートメーション化による人材削減などができない分野のため、この先も人材確保が大きなカギとなるでしょう。

では、そんなに人手不足の業界であれば介護福祉士の将来性は安泰なのか?

いいえ、決してそんな単純なことではないのです。

なぜなら介護業界には介護業界の特徴があるので、単純に働き手を多くすればいいということでもないのです。

では気になる「介護福祉士の将来性」について考えていきたいと思います。

介護の歴史とは

介護の歴史

まず将来性を知る前に、介護の歴史について知っておきべきでしょう。

1956年、長野県で「家庭養護婦派遣事業」が始まりました。

これは病気やケガなどが原因で家庭内において家事を行うことができなくなったときに、臨時で家庭養護婦を派遣するようにした制度です。

これがホームヘルパー発祥と言われています。

そして2年後、大阪市で「臨時家政婦派遣事業」が始まり、その翌年に「家庭奉仕員派遣制度」として改称されました。

1962年には国によって「家庭奉仕員制度設置要綱」が定められ、福祉事業として国庫補助対象となりました。

1963年、「老人福祉法」が制定され、それに伴い「老人家庭奉仕員」として制度が整いました。このときの奉仕対象は所得の低い独居老人で、家事などの援助を中心に行われていました。

1987年、社会福祉士及び介護福祉士法が創設。翌年には介護福祉士養成教育が専門学校や短期大学で始まりました。

1990年、国による「高齢者福祉整備10ヵ年計画」により、初めて「ホームヘルパー」という名称になりました。

それまで家事援助が中心の「家庭奉仕」から、食事、排せつ、入浴といった「身体介護」を中心に行う専門職業として確立されたのです。

2000年、介護保険制度によりホームヘルパーは「訪問介護員」と呼ばれるようになりました。

介護サービスを民間団体が提供できるようになったことで、介護職員への需要が高まりました。

しかし介護福祉士とホームヘルパーの差別化がなされないまま、2職種が同じ仕事を行う施設も多く見受けられるようになりました。

2013年、ホームヘルパーは認定制度の「介護職員初任者研修過程」となり、国家公務員である介護福祉士との差別化が図られるようになりました。

差別化されてもスキルアップにはなっていない

介護福祉士は、

同じ国家資格の看護師に比べて低賃金で働かなければいけないので、早急に求められている人材確保と人材育成への大きな障壁となっています。

それとは逆に、幅のなかった介護方法に多様なサービスが登場したことで、介護を受ける側からの質の高い介護サービスを求める声が多くなっています。

質の高いサービスを提供するには、介護スタッフのケアの質を高める必要があり、その質を維持するためには、介護業界そのもののスキルアップを図らなければなりません。

どんなに良い仕事をしても、仕事に対する賃金(評価)が低いため、現場は慢性的な人手不足に悩んでいます。

今は自分がどれだけ介護に対して、情熱や熱意も持ち続けられるかがカギです。

仕事へのやりがいや、積極的に介助しようとするパワーこそが介護福祉士の将来を明るくしてくれる要素といえるでしょう。

将来を明るくするのか暗くするのかは、介護福祉士自身が決めている

忘れてはいけないのは、介護福祉士の仕事があるのは利用者(もしくは患者)の存在があるからです。

介護の仕事はとても重労働で、ときに汚い業務もあります。また利用者から理不尽な言いがかりをつけられることも少なくありません。

それでも仕事を続けるのはどうしてなのでしょうか。

それは

患者の笑顔や「ありがとう」という言葉をもらえる仕事だから、と答える介護福祉士は多いでしょう。

介護の仕事は、高齢化社会を迎えるに当たり対象者が増えるので、仕事としてみればいくらでもあります。

しかし介護の質やコンプライアンスが劣悪では、介護福祉士はいつまで経っても「介護のプロ」として認めてはもらえません。

今、介護福祉士に求められるのは、知識や介護技術だけではないのです。

介護福祉士として

介護福祉士として将来を切り開くためには今日よりも明日、一カ月よりも半年後に、より質の高いケアを提供できるかどうかです。

そのためには、きちんと勉強するだけでなく、志を高く持つことも忘れてはならないのです。

介護福祉士が介護のプロとして認められれば、同じ国家資格の看護師とかわらないような待遇となってもおかしくありません。

介護福祉士を目指す人、介護福祉士として働く人、すべての人が志を高く持つことが、介護福祉士の将来性をさらに広げることに繋がるのです。

参考サイト:総務省統計局「高齢者の人口