介護福祉士の求人

高齢化社会の進む日本では、団塊の世代が75才以上を迎え、深刻な介護労働者不足と言われています。

そのため求職者1人当たりに何件の求人があるのかを示す有効求人倍率では3倍とも言われています。

厚生労働省が発表する一般職種の有効求人倍率は1.43倍(平成29年2月)ですから、介護職全般の求人がいかに多いのかお分かりになるかと思います。

これだけの求人があるなら、介護業界は仕事に困らないということ?

つまり就職したら安泰?

介護福祉士なら将来安心?

本当にそうなのでしょうか。気になる介護の求人状況について調べてみました。

有効求人倍率が高ければいいのか

一般的な企業では、景気が上向きになると求人数が上がります。そのため、有効求人倍率は景気動向の指数として注目されています。

しかし介護に関しては、これは当てはまりません。介護業界は介護保険で運営資金のほとんどを賄っていますから、景気動向では左右されません。

しかし介護保険の改定によって、変更が余儀なくされます。

現在の介護施設(特に特養)における入所待ちは全国で52万人以上いると言われています。

しかし介護保険制度の改定から、入所に制限を設ける施設も多いのです。実は国の財政がひっ迫している今、介護を必要としている人がいるにも関わらず介護施設を増やせないというジレンマに陥っています。

また同時に介護職スタッフを確保できないために、受け入れ可能数まで入所者を増やせないといった問題を抱える施設も多いです。

福祉が国の政策にも関わらず、どうしてこのような状況に陥っているのでしょうか。

そこには求人数に隠れた、介護職の離職問題が大きく絡んでいます。

介護職が確保できない、現実とは?

高齢者や障がい者がいる限り、仕事としては絶対に成り立つという側面を持っています。その上、介護を必要とする高齢者は増加にあります。

つまり求人が途絶えることはありません。

しかし一般職種に比べてやや離職率の高い介護業界では、介護職の確保が急務とされています。

介護職を目指す人の大半は、「人のために役に立ちたい」という志を持って資格取得をしています。

しかし「志」だけでは、どうしようもならない問題があります、それは介護の本質の未確立と、介護職員自身が心得なければならないプロ意識の低さ、そして一般職に比べて給与面の低さがあります。

介護現場が直面している問題とは

介護の本質は非生産性の仕事であるにもかかわらず、入所者を運営側が選んでいるという現在の介護業界は、介護の本質を誤っていると指摘されています。

しかし「本質」を決めるのは国の方針であり、最も大きな特徴は「介護保険制度」の転換に影響されます。

それまで高齢者を全国民が担うと謳っていた政策でしたが、各家庭で面倒を看る「無償のケア」にシフトしました。

そのため「家庭でもできる介護にプロは必要か」という考えを払拭できず、介護福祉士は「介護のプロ」なのか「介護福祉のプロ」なのか、いまだに答えを出せていません。

さらに人手不足による介護現場では、利用者に十分なケアが十分ができないという負い目が、介護職のやる気を削いでいると指摘する専門家もいます。

それなら求人を増やせばいいのでは?

そもそも有効求人倍率が高いのはどうしてなのでしょうか?

介護職が多く必要とされるのは、現在の介護が必要な高齢者(自宅介護を含む)が多く、単純に人手が足りないからです。

しかし、問題は人手不足だけではないのです。

慢性的な人手不足による勤務超過や残業、夜勤などの勤務数増加、スタッフ同士の連携ミスによるインシデント。

またストレスによる体調不良や利用者への虐待行為など多くの問題が蔓延している介護現場において、単純に求人を増やしたからと言って解決にならないことのが多いです。

中にはそういった問題すら把握せず、また放置したまま求人だけを繰り返す経営者もいますから注意が必要です。

大切なのは、求人に惑わされないこと

面接もそこそこに「いつから来れる?」と就職前提の話をされたら・・・

あなたならどうしますか?

本当にあなたのことを気に入って見込んでいる場合もありますが、ほとんどは離職者が多くてどんな人でもいいから働いてくれ!という施設の状況が考えられます。

こういう施設の場合は、スタッフの人間関係が悪い職場環境が劣悪などの可能性も否定できません。

どんな場合でも、即決はせずに施設見学をしてスタッフや利用者の様子を見てみましょう。

少しでも引っかかることがあれば、慎重に判断することも大切です。

まとめ

これからの介護福祉士に求められるのは、ただ目の前の仕事をこなすのではなく意志をもって介護という仕事に向き合える人です。

そして介護の理念をしっかり持った施設を見つけられる「目」を持つことです。

利用者の目線に立てるケアを提供している介護福祉士や施設が多くなれば、介護の質の向上につながり、介護福祉士はより世間に「介護のプロ」として認知されるようになるでしょう。